"トップクチュリエール" にショートインタビュー🎤✨

*クチュリエールとは:女性の裁縫師 ( 最高の技術をもったデザイナー )

秋冬の帽子製作について 

-型押し帽子編-

Q1:まずはAthena New Yorkでのクチュリエール歴を教えて下さい。

トップクチュリエール Rさん:

Athena New Yorkの帽子等を製作して13年になります。もともとモノづくりが好きで、Athena New Yorkに入る前は同じ手作り雑貨製作を趣味にしているお友達数人で集まって、様々な雑貨作りをしていました。その頃のお友達の中にはブランドを立ち上げた人もいます。

momoko:

なるほど!Rさんは手先がとても器用だという生まれ持った才能がありその上に「好きこそ物の上手なれ」でトップクチュリエールになられたのですね。デザイナーの意向を120%で仕上げてしまうところは、ここが原点なのですね。工房へ行った時、正確で美しい作業姿に見入ってしまったのを思い出しました。

Q 2:では製作に関して、今年の秋冬の「型押し帽子」について教えて下さい。

トップクチュリエール Rさん:

この秋冬の「型押し帽子」はレベッカとアビゲイルです。両方とも毛フェルト素材をデザイナーが考案した“帽子の型“に熱で成形して作られています。特徴は、クラウンとブリムが一体に繋がっているので、美しいフォルムに仕上がっています。また「型押し帽子」は形がしっかり保たれているので帽体がすくい易いので、装飾品を縫製し易い事が製作者としては利点になります。逆に、装飾品として使用するリボンやレースをきっちりと縫ってしまうと遊びがなくなり、被ったときに型が伸びる事で引っ張られ、帽体にシワができたり、へこみが出てしまいます。もう1点、一体に繋がっていることで、”玉止め“を隠す逃げ場がないので美しい”玉止め“に仕上げる事が醍醐味。この装飾品を縫製する時の縫い合わせの“さじ加減”は、長年の技術と感覚(経験で得られる勘)がさえるところ、です。

momoko:

かっこいい~

Q 3:クチュリエールに必要な事って何ですか?教えて下さい。

トップクチュリエール Rさん:

まず向き不向きはあります。誠実な姿勢で努力できる人でないと務まりません。「型押し帽子」は特にコツや論理的に説明できるものではなく、人間と同じで1人1人に個性があるように、帽子1個1個それぞれ少しずつ違うので、マニュアル通りの同じ縫い方では仕上げられないからです。”ちゃんと”帽子と向き合う事、帽子の性格をいかに早く理解できるかが不可欠です。そして何より感覚(経験で得られる勘)がとても大切です。

Q 4:最後にお客様に一言ください!

トップクチュリエール Rさん:

型押し帽子に限らず全ての帽子に対していつも思っている事なのですが、たとえ何十個・何百個と帽子を装飾し、仕上げたとしても、お客様に手に取って頂ける "たったひとつ" の帽子だと考え製作しています。"お気に入りのひとつ" に出逢えたお客様には、長くご愛用頂けたらとても嬉しく思います。